たけぞうさん
レビュアー:
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番子部長、ちょっと無理ゲーではないかと。
「よちよち文藝部」がめちゃくちゃ面白かったので手に取りました。
評価は、まあよくまとめたものだという感じです。
第一話のモンテ・クリスト伯で、その理由が書いてあります。
まず、海外文学は長いです。モンテ・クリスト伯であれば文庫で七巻。
次に、海外文学は名前がピンときません。苗字、名前、ニックネームが
カタカナで、同一人物なのかごちゃごちゃしてくるうえ、
偽名なんか使い始めたら一発アウトです。
わたしなんかも、男か女か名前で区別できず、混乱した覚えがあります。
最後は、海外文学特有の翻訳が合う合わない問題です。
三つの関門があるということに、わたしも強く同意します。
そんな海外文学に苦手意識を持っていた番子部長が著名作品に
挑んだ記録なので、爆発も含めて大変参考になりました。
ただ、本そのものを深堀りして伝えているかは微妙な感じです。
コマ割りもやや大きめで、内容的な薄さをノリとつっこみで
ごまかしてしまった感が残念でした。
まあそれは、この漫画に何を期待するかの考え方次第なんですけどね。
わたしも同じくらい苦手意識があるので、
どの作品が読めるのかという情報は参考になりました。
数ある海外文学の中で、わたしにとって一番楽しかったのは
風と共に去りぬです。番子部長も大変楽しんでいました。
文学調の重さはなく、厚めの文庫で五巻もあるのに
どんどん読める展開力があり、ずっとこころに残る作品なんです。
いろいろな名作に打ちのめされる中で、スタインベックの怒りの葡萄と、
ジェイン・オースティンの高慢と偏見を番子部長が大いに楽しんでいたので
これなら自分もいけるだろうとチェックしました。
そういう面で価値のある一冊です。
まあ、それにしても読めていない作品の扱いが雑で、
変なところで親近感を持ってしまいました。
一番はドン・キホーテです。番子部長は作品紹介をあきらめたのか、
ひたすら作者のセルバンテスのネタ話でごまかすという荒技です。
ロシナンテが泣いていますよ。
また、老人と海の話は、作品からちょっと離れた遊びこころがあって、
こちらは逆に別の興味が持てて良かったです。
孤独な老人が、海の上で自給自足で一人で生き延び、
カジキマグロと繰り広げた死闘を制するというお話ですが、
食事シーンに着目したあたりがいいです。
日本人は当たり前に思う描写が、当時の日本食を知らないアメリカ人の目に
どう映ったのかというのは、おおっと思いましたね。確かにその通りだと。
そんな番子部長の頑張りに、わたしは敬意を表します。
なかなか面白かったですよ。
でも、次はやっぱりお得意の日本文学にして欲しいですね。
評価は、まあよくまとめたものだという感じです。
第一話のモンテ・クリスト伯で、その理由が書いてあります。
まず、海外文学は長いです。モンテ・クリスト伯であれば文庫で七巻。
次に、海外文学は名前がピンときません。苗字、名前、ニックネームが
カタカナで、同一人物なのかごちゃごちゃしてくるうえ、
偽名なんか使い始めたら一発アウトです。
わたしなんかも、男か女か名前で区別できず、混乱した覚えがあります。
最後は、海外文学特有の翻訳が合う合わない問題です。
三つの関門があるということに、わたしも強く同意します。
そんな海外文学に苦手意識を持っていた番子部長が著名作品に
挑んだ記録なので、爆発も含めて大変参考になりました。
ただ、本そのものを深堀りして伝えているかは微妙な感じです。
コマ割りもやや大きめで、内容的な薄さをノリとつっこみで
ごまかしてしまった感が残念でした。
まあそれは、この漫画に何を期待するかの考え方次第なんですけどね。
わたしも同じくらい苦手意識があるので、
どの作品が読めるのかという情報は参考になりました。
数ある海外文学の中で、わたしにとって一番楽しかったのは
風と共に去りぬです。番子部長も大変楽しんでいました。
文学調の重さはなく、厚めの文庫で五巻もあるのに
どんどん読める展開力があり、ずっとこころに残る作品なんです。
いろいろな名作に打ちのめされる中で、スタインベックの怒りの葡萄と、
ジェイン・オースティンの高慢と偏見を番子部長が大いに楽しんでいたので
これなら自分もいけるだろうとチェックしました。
そういう面で価値のある一冊です。
まあ、それにしても読めていない作品の扱いが雑で、
変なところで親近感を持ってしまいました。
一番はドン・キホーテです。番子部長は作品紹介をあきらめたのか、
ひたすら作者のセルバンテスのネタ話でごまかすという荒技です。
ロシナンテが泣いていますよ。
また、老人と海の話は、作品からちょっと離れた遊びこころがあって、
こちらは逆に別の興味が持てて良かったです。
孤独な老人が、海の上で自給自足で一人で生き延び、
カジキマグロと繰り広げた死闘を制するというお話ですが、
食事シーンに着目したあたりがいいです。
日本人は当たり前に思う描写が、当時の日本食を知らないアメリカ人の目に
どう映ったのかというのは、おおっと思いましたね。確かにその通りだと。
そんな番子部長の頑張りに、わたしは敬意を表します。
なかなか面白かったですよ。
でも、次はやっぱりお得意の日本文学にして欲しいですね。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:文藝春秋
- ページ数:136
- ISBN:9784163911441
- 発売日:2019年12月12日
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